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さいたま市民活動センターの指定管理停止について

知人のfacebook記事で知りました。

私も間接的なながら地元のボランティアセンターに関わるので、経緯や論点を調べてみました。繊細な問題をはらんでいるので、客観的事実だけ記載します。

 

【行われたこと】

さいたま市議会で「さいたま市市民活動サポートセンター条例の一部を改正する条例」が制定された。

・改正内容は、以下の2点が追加されています。

「市民活動センターの管理を行わせるための管理の基準、その他の必要な事項を定めるまでの間、適用しない」

「管理の基準その他の必要な事項は、市民の福祉が最大限に増進され、センターを設置した目的を効果的に発揮するためのものでなければならない」

http://www.city.saitama.jp/gikai/003/001/003/h2709giteiitei_d/fil/gitei10.pdf

 

【制定者側の主張】

毎日新聞の10月15日の記事によると、市議の方は下記主張をしています。

自民党市議らが原発憲法9条拉致問題など政治的テーマを扱う団体の利用を問題視。

・市議は「利用許可や団体登録など、重要な問題が民間に委ねられているのが問題。市が条例や規約を整備して、正常な形の管理に戻すべきだ」と説明する。

http://mainichi.jp/area/saitama/news/20151015ddlk11010249000c.html

 

(補足)

 記事内にある、市議の方の主張「登録団体が特定非営利活動促進法や同市の市民活動推進条例で定めた市民活動の範囲を逸脱した政治活動で施設を使う」に関しては、記載にある条例が関わってくると思われます。

 

 ・まず市民活動サポートセンターを利用できるのは、さいたま市市民活動サポートセンター条例の第5条第1項によって定義されています。

施設等のうち、多目的展示コーナー、団体ロッカー、メールボックス及び貸出機材(以下「貸出施設等」という。)を利用することができる者は、市民活動団体(推進条例第2条第3号に規定する市民活動団体をいう。)であって、市内で主たる活動を行うものとする。

 

 ・そして、市民活動団体は、さいたま市市民活動及び協働の推進条例の第2条3号で定義されています。

(3) 市民活動団体 市民が自由な意思に基づいて集まり、自律的に市民活動を行う団体をいう

 

 ・さらに、市民活動とは同じ条例の第2条2号に定義されています。

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(2) 市民活動 市民が地域又は社会における課題の発見及び解決のために、自発的かつ自主的に行う非営利で公益的な活動をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することを目的とする活動

 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動

 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動

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まわりくどい話ですが、この直近の「さいたま市市民活動及び協働の推進条例」の2条2項但書の項イに該当する団体があり、市民活動に該当しない団体が市民活動サポートセンターを使用しているのではないか。」そして、「利用許可や団体登録など、重要な問題が民間に委ねられているのが問題」と言っているわけです。

 

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【指定管理者側の主張】

上記に対して、指定管理者側であるさいたまNPOセンター側は、同センターの10月16日付けブログで、『「さいたま市市民活動サポートセンター条例」が改正され、指定管理者制度をとりやめることに』との内容で記載しています。

 

まず、特定団体の「政治活動」について

・「市民活動サポートセンター条例」に基づいて運営しており、同条例は「特定非営利活動促進法」や「さいたま市市民活動及 び協働の推進条例」に基づいていま す。

・「協働の推進条例」の第2条2項では、「主義」(政治によって実現しようとする基本的・恒常的・一般的原理・原則)の支持や推進は市民活動から除いて いますが、個別の政策や施策に対する活動は、市民活動として除いていません。つまり「安全保障に係る」賛否活動、「憲法改正に対する」賛否活動をすること を認めています。

 

続いて、「管理基準」について


「管理の基準の見直し」を決議していますが、現在、指定管理者は登録団体申請時の書類で判断しています。しかし、市議が提出した資料は インターネットで調べた、団体がサポートセンター以外の場所で行った活動を記したものです。新たな管理基準は「申請後のサポセン以外の行動も常時、指定管理者は監視しろ」ということでしょうか。これは、14団体の問題にとどまりません。賛成した党支持者の中にも市民活動をしている人はたくさん います。そういう団体がサポートセンター以外で、選挙活動や宗教活動をしているかどうか、指定管理者がチェックしろ、ということになりかねません。
  また、「政治活動」かそうでないかは、市議自身が「難しく、最終的な判断は司法にゆだねられる」と発言しています。その一方、「直営にし、市職員の 『裁量権』で行え」と主張していますが、公務員の『裁量権』については厳しい判決があり、直営にしても「政治活動」のついては、指定管理者制度の下での判断条件と変わりません。

 

対して、政治上の主義とは「自由主義、民主主義、資本主義、社会主義共産主義、議会主義」等の考え方そのものを指しているため、個別の政策や施策(原発拉致問題等)に対する活動は、市民活動として除いていない。

※これは、国会審議内で同種の解釈をしています。

管理基準は、直営にしても「政治活動」のついては、指定管理者制度の下での判断条件と変わらない、公務員の『裁量権』については厳しい判決があると述べています。

 

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(雑感)

非常に難しい問題ですが、争点となっているものは政治に触れるテーマが「主」となっている気がします。さいたま市市民活動及び協働の推進条例には「市民が地域又は社会における課題の発見及び解決のため」と記載されており、今回の場合、活動内容がさいたま市さいたま市民のために、どう繋がるのかを第一に考えてほしいなぁ…と思います。

 

(おまけ)

前回の指定管理者の選定結果がありましたが、1社入札で落札率99.97%が興味深かったです。民間企業に勤める身としては、そのセンスが羨ましいですね。

http://www.city.saitama.jp/001/013/003/003/p012264_d/fil/saposen.pdf